健康とライフスタイル

予防の大切さ
 医療において最も理想的な治療は悪くなってから治療するよりも予防に重点を置き、病気を未然に防ぐことです。
  古代ギリシャのヒポクラテスは「病は自然が治し、神は傷を癒し、我はただ包帯をするのみ。人間には偉大なる自然治癒力があり、その力を引き出すのが治療の鍵である」という言葉を残しました。この自然治癒力は昔は普通にあるものとして利用していたのでしょうが、近代の高度医療の発達とともに、隅のほうへ隅のほうへ押しやられてしまいました。しかし、30年程前からのアメリカ代替医療の復興から再び、脚光を浴びることとなったのです。慢性の症状を改善するには、自然治癒力の働きを阻害している根本の原因を知り、それを取り除かなければなりません。
 病気になると、何もかも悪いことのように思われがちですが、病気は自分の長い人生の中で考えると、見失っていた何かを気づくきっかけともなり、病がそれを乗り越えようとする強さに変わったときに、今まで以上に人間的に成長することにつながるかもしれません。「症状はこれまでの生き方を見直す人生への贈り物」だと考えることができます。
 すでに症状がある方も、現在健康な方も病院での治療ももちろん大事ですが、自分で治す、自分で防ぐという意識を持つことはとても大切なことです。

ライフスタイルの見直しの重要性
 成人病という病名が生活習慣病と呼び名が変わったのはまさにこのライフスタイルを見直して病気を改善、予防しようという啓蒙のためです。風邪をひいたときは薬だけ飲んでいつものように忙しく仕事したり、睡眠が短かったりすると治りにくいという認識はみなさん持っています。「今日は風邪気味だから早めに家に帰って暖かくして寝よう」といったライフスタイルの見直しを自然と行っているものですがその他のさまざまな疾患についてはどうでしょうか?初めて聞くような病名であったり、それがどんな病気なのか見当もつかない、いわば自分にとって身近なものではなかったならその病気はどこか遠いところから突然降りかかってきたようにしか感じられず薬を飲むだけが唯一の治療法となり不安を抱えてしまっているように見受けられます。病気になりやすさ、病気の原因は実はもっと身近に潜んでいるものだと思います。毎日行っていることこそ心や体に大きく影響をしているはずです。薬を服用するだけでなく身近に為す術があるとぐっとその病気は超えられない高い壁ではなくなります。心の負担は大きく減り、自分の体を鍛えたりいたわったりして自己コントロールができるようになっていくのです。
 癌の治療において現代医学の三大治療、手術、抗癌剤、放射線治療を行って癌が消失して退院する時、「もう元の生活を送って大丈夫ですよ。」と送り出すDrがいます。これを聞いてみなさんはどう思いますか。癌という病気になった原因を変えずに癌そのものだけを小さくして、癌になりやすいという体はそのままという状態ですから、再発の可能性は非常に高いということなのです。どんな病気でもそれは言えること、むし歯にしても然りです。
 ですから治療を受けることと同じくらい大切なことがライフスタイルを見直すことなのです。見直すことで今後の長い人生をもっと豊かに過ごせるのかもしれません。
体の使い方や癖
 ライフスタイルというのは生活のリズムや食生活だけでなく体の使い方や癖なども含んでいます。これまで無意識にやっていたことに病気の原因が潜んでいることがあります。そこを一緒に探っていくことが本当に価値のある医療ではないかと考えています。
 また、こういった後天的なライフスタイルに気をつけることが健康を維持するためにとても重要なことだともっとお母さんのお腹にいるぐらいの早い段階で伝えることができたら、今より病気というものを減らし、一人ひとりが本当にやりたいことにチャレンジできるのではないでしょうか。このようなことを病気になったことをきっかけに、またクリニックを訪れたご縁から一緒に取り組んでいけるといいなと常々思っています。

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